DeNAの藤浪晋太郎投手が、2026年7月11日の巨人戦で今季初登板・初先発を迎えました。
2軍では安定した投球を続け、防御率2.25という好成績を残していただけに、「いよいよ復活か」と期待したファンも少なくありません。
しかし結果は、3回94球、3失点、6四球。
試合はDeNAが逆転する場面もありましたが、その流れをつなぐことはできませんでした。
試合後、元メジャーリーガーで日刊スポーツ評論家の上原浩治氏は「いきなり3連続四球はない」「とても1軍で投げられるレベルではない」と厳しくコメントしています。
ここまで厳しい評価になった理由は何だったのでしょうか。
今回の登板内容を振り返りながら、2軍では結果を残せていた背景や、今後の課題について整理します。
藤浪晋太郎3回6四球で降板
【悲報】俺たちの藤浪晋太郎、なにも変わらず
・今季初登板の藤浪晋太郎
・3回94球で降板
・先頭打者から四球→四球→四球
・プレーボールから15球、誰もスイングせず
・1回は36球の投げっぷり
・相変わらずの姿にファンもニッコリ— 阪神タイガースチャンネル (@tigerschannel72) July 11, 2026
今回の登板を一言で表すなら、ストライクを先行させられなかったことに尽きます。
いつものことか…
初回、先頭打者から3者連続四球。
これだけで試合の流れは一気に巨人へ傾きました。
続く犠牲フライとタイムリー二塁打で2点を失い、3回にも追加点を献上。
最終的には3回94球で降板となりました。
数字だけを見ると3失点ですが、内容はそれ以上に苦しい投球。
6四球を与えたことで毎回走者を背負い、自らピンチを広げる展開が続きます。
それでも大量失点にならなかったのは、リチャードの好守など野手陣の守備に助けられた部分が大きかったと言えるでしょう。
この日は真っすぐも変化球もストライクゾーンへ安定して投げ込めませんでした。
ボールが先行するため、打者は無理に手を出す必要がありません。
- 追い込めない。
- 勝負球も生きない。
- そして四球が増える。
この悪循環に陥ってしまいました。
藤浪投手は三振を4つ奪っており、球威そのものが失われたわけではありません。
だからこそ、なおさら制球の乱れが目立った登板だったと言えるでしょう。
上原浩治が「1軍レベルではない」と断じた理由
アマチュアの方がマシ
【上原浩治】DeNA藤浪晋太郎、いきなり3連続四球はない 技術面、精神面で立て直しが必要(日刊スポーツ)#Yahooニュースhttps://t.co/5tkvHHyiYd
— 並木誠 (@ghemonee) July 11, 2026
上原浩治氏が厳しく指摘したのは、四球の数だけではありません。
最大の問題として挙げたのが、投球フォームの再現性でした。
上原氏は、上半身と下半身のタイミングが合っておらず、リリースポイントが一定ではないと分析しています。
そのため、ボールが抜けたり引っ掛かったりし、真っすぐも変化球も軸になる球が作れていませんでした。
だからこそ、「いきなり3連続四球はない」という厳しい言葉になったのでしょう。
プロの投手は球速だけで評価される世界ではありません。
160キロ近い速球を持っていても、ストライクが入らなければ打者は怖くありません。
むしろ待っていれば四球になる可能性が高くなるため、攻める必要すらなくなります。
上原氏が「1軍レベルではない」と話したのは、球の速さではなく、試合を組み立てる以前の状態だったからです。
さらに印象的だったのは、「技術面と精神面の両方を見つめ直す必要がある」という言葉でした。
技術面とはフォームやリリースポイントの安定。
一方の精神面は、結果を求めるあまり力みが生まれ、本来のフォームを崩してしまう部分も含まれているのでしょう。
技術だけ直せば解決する話ではなく、精神論だけでも片づけられない。
だからこそ、この課題は何年も繰り返されてきたのかもしれません。
2軍好投でも1軍で制球難が再発した背景
藤浪晋太郎投手:3回 94球 四球6 失点3
— どあら (@sacra4256) July 11, 2026
今回、多くのファンが驚いた理由は、2軍では安定した成績を残していたことです。
今季ファームでは10試合に登板し、防御率2.25。
40イニングで与えた四球は13個と、これまでの藤浪投手を考えれば制球面にも改善が見られていました。
そのため、「ようやく復活への道筋が見えてきた」という期待が高まっていたのですが…
では、なぜ1軍では同じ投球ができなかったのでしょうか。
もちろん、相手打者のレベルが上がることは大きな要因です。
1軍の打者はボール球を簡単には振りません。
少しでも制球が乱れれば見極められ、四球につながります。
逆に2軍では多少甘い球でも打ち損じてくれる場面があります。
この違いは想像以上に大きいもの。
さらに藤浪投手には、過去から続く特徴があります。
四球を出す。
するとストライクを取りにいこうと意識する。
その意識がフォームを崩し、さらに制球を乱してしまう。
この悪循環。
阪神時代にも、そしてメジャーリーグでも、同じような場面が何度も見られました。
私は、この問題は技術だけでは説明できないと思います。
「結果を出さなければいけない」という気持ちが、フォームを少しずつ硬くしてしまう。
そのわずかなズレが、藤浪投手ほど大きな体格の投手では制球へ大きく影響してしまうのでしょう。
相川亮二監督も「ストライクを取る前の問題だった」と話しています。
つまり配球や駆け引き以前に、自分のボールを思い通りに投げられる状態ではなかったということです。
ここを改善できなければ、1軍で結果を残し続けるのは簡単ではありません。
DeNA首脳陣の評価と登録抹消の判断
相川監督は初回、マウンドへ向かい、「やってきたことをマウンドで出そうぜ」と声を掛けました。
それでも流れは変わらず、試合後には登録抹消を明言しています。
先発陣に苦しむDeNAにとって、藤浪投手は本来ローテーションを支えてほしい存在です。
それでも再調整を選んだのは、今の状態では本人にとってもチームにとっても厳しいと判断したからでしょう。
一方、藤浪投手本人は「野手がすぐ逆転してくれたにもかかわらず、不甲斐ない投球をしてしまい申し訳ない」とコメントしました。
責任を味方や首脳陣へ向けることなく、自らの投球を反省する姿勢は変わっていません。
だからこそ、本人にとっても今回の結果は相当悔しいものだったはずです。
ストライクがはいらないんじゃ、話にならないよね!
藤浪晋太郎に求められる本当の立て直し方
藤浪晋太郎 pic.twitter.com/lqLVymYOM1
— ぺいし (@peishi_2nd) July 11, 2026
今回の登板で改めて浮き彫りになったのは、球速や変化球の種類ではありません。
1軍でも安心してストライクを取れる投球を再現できるか。
ここが最大のテーマです。
藤浪投手は阪神時代から日本球界屈指のポテンシャルを持つ投手として期待されてきました。
160キロ近い速球を武器にメジャーリーグへ渡り、その球威はアメリカでも高く評価されています。
DeNAが獲得を決めたのも、その能力を信じていたからでしょう。
つまり、球の力が足りないから苦戦しているわけではありません。
能力は十分ある。
それでも結果につながらない。
そこに、この問題の難しさがあります。
制球難は「メンタルが弱い」という一言で片づけられるものではありません。
フォームのズレを修正しようとする。
その意識がさらにフォームを崩す。
技術と精神が複雑に影響し合い、簡単には抜け出せない状態になってしまうのです。
ただ、2軍では一定の結果を残してきたことも事実です。
だからこそ、今回だけで「もう終わった」と結論づけるのは早いでしょう。
むしろ重要なのは、2軍でできていた投球を、どうすれば1軍の緊張感の中でも再現できるかです。
今回の登録抹消は厳しい現実ですが、見方を変えれば、もう一度土台から立て直す時間を得たとも言えます。
ファンが見たいのは160キロの豪速球だけではありません。
「今日は安心して見ていられる」
そんな登板を積み重ねられたとき、藤浪晋太郎は本当の意味で復活したと言われるのではないでしょうか。

