2024年12月29日、韓国南部の務安空港で発生したチェジュ航空機の大規模事故が注目を集めています。
181人を乗せた旅客機が着陸時に失敗し大炎上,179人が命を落とす事故となりました。
この事故の原因として、「バードストライク」が浮上しています。
(現時点で原因は特定されていませんのでご了承ください)
年末年始で飛行機を利用する人も多いと思います。
この記事では、事故の詳細やバードストライクがもたらす影響、そして今後の対策について詳しく解説します。
最新情報が分かり次第、追記していきます。
なぜ起きた?
引用元:YouTube
2024年12月29日、チェジュ航空のB737-800型機が韓国務安空港で胴体着陸を試みた際、滑走路外壁に衝突して炎上しました。
この事故で、搭乗していた181人のうち、179人が死亡し、生存者はわずか2人。
韓国国土交通省によると、機体が激しく燃えたため犠牲者の身元確認は困難を極めているとのことです。
チェジュ空港は安全性を指摘されていた!
チェジュ航空は韓国の航空会社の中で総合安全度スコア最下位を記録し、韓国・国土交通省は同社に対し航空安全監督官を2倍に増やして管理監督を強化したことがある。
原因はバードストライク?
バードストライクとは、飛行中の航空機が鳥と衝突する現象を指します。
この事故では、滑走路進入時に鳥の群れと正面衝突した可能性が指摘されています。
目撃者によると、右側エンジンに鳥が吸い込まれたことでエンジンが炎上し、その結果として車輪がでなくなり、胴体着陸せざるをえないなったのではと推測されます。
(現時点ではっきりした原因はわかっていません。)
引用元:YouTube
バードストライクの主な原因は以下の通りです
- 鳥の飛来を予測できない場合が多い
- 空港周辺の環境が鳥の生息に適している
- エンジンに鳥が吸い込まれると急激に機能が低下する
特に滑走路付近での鳥類対策が十分でない場合、航空機の安全性が大きく脅かされます。
基本的に機体はバードストライクありきで設計されているんですね。
バードストライクが起きる確率は、飛行機が1万回離着陸するごとに約5.4回のバードストライクが発生する計算になります。
つまり、確率としては0.054%程度です。
韓国でのバードストライク被害の現状と対策
韓国では、バードストライクの発生が増加しており、特に空港近隣での鳥類管理が重要視されています。
事故が発生した務安空港でも、これまでに数件の軽微なバードストライクが報告されていました。
韓国国土交通省は今回の事故を受け、空港周辺の鳥類監視体制を強化する方針を明らかにしています。
韓国では、バードストライクを防ぐためにさまざまな対策が講じられています。
以下はその一部です:
- 空港周辺の鳥の追い払い:空港周辺で鳥を追い払うために、音や光を使った装置が設置されています。
- 鳥の生息地管理:空港周辺の鳥の生息地を管理し、鳥が集まりにくい環境を作る努力がされています。
- 航空機の強化:航空機のエンジンや窓を強化し、バードストライクによる被害を最小限に抑える対策が取られています。
- 専門職員の配置:バードストライクの発生が多い空港では、専門の職員がパトロールし、鳥を追い払うための措置を講じています。
これらは対策のごく一部です。
ちなみに、日本でも同じような対策がとられています。
チェジュ航空の内部告発が話題に!
事故を受け、チェジュ航空の従業員がオンラインの匿名掲示板を通じて内部告発を行い、「この事故は予想されていた」と発言。
その背景には、整備体制の劣悪さや経営陣の問題があると指摘されています。
「いつ墜落してもおかしくない」「社長の一人が間違った判断をするだけで、整備や運航がめちゃくちゃになった」といった証言が続出し、利用者の間で不安が広がっています。
内部告発で最も注目されたのが、整備士たちの厳しい労働環境です。
整備士たちは夜間勤務が当たり前で、13~14時間もの長時間労働が続いているといいます。
休憩時間はわずか20分程度で、ほとんど休むことができない状況。
もし、これが本当なら完全にブラックですね。
さらに、チェジュ航空では1.5倍もの仕事量を課されており、メンテナンスの質が低下するのは避けられないと指摘されています。
整備士たちの間では、「疲れ果てた状態でメンテナンスした飛行機に人々が乗っている」という現実に、常に不安があるそうです。
こうした労働環境の改善が行われなければ、安全性が担保できないことは明らか。
「予想された惨事」とは?
今回の事故はバードストライクが原因ではないか?と言われています。
バードストライクによりランディングギアが作動せず、車輪がでなくなり胴体着陸に失敗してしまった。
1. 着陸: 飛行機が空から地面に降りるとき、ランディングギアが地面に接触して衝撃を吸収します。
2. 離陸: 飛行機が地面から飛び立つとき、ランディングギアが滑走路を走って飛行機を支えます。
3. 地上移動: 飛行機が空港内を移動するとき、ランディングギアが車のタイヤのように機体を支えて動かします。
飛行機が空を飛んでいる間は、ランディングギアは機体の中に収納されていて、着陸や離陸のときにだけ出てきます。
従業員たちは、このような事態が起こる前兆があったと証言しています。
「部品交換やメンテナンスが遅れることが多く、以前から機体の欠陥が相次いでいた」とのこと。
整備士だけでなく、パイロットや運航管理スタッフからも安全管理への疑問が相次いでおり、これが「予想された惨事」と呼ばれる理由です。
チェジュ航空だけではない?LCC業界全体の課題
チェジュ航空の問題は、同社だけの課題ではありません。
LCC(格安航空会社)全体に共通する構造的な問題が背景にあると考えられます。
今年1月には別の韓国LCCであるティーウェイ航空でも、機体不具合を理由に飛行を拒否した機長が停職処分を受けたという事件がありました。
こうした事例から、LCC各社が安全よりもコスト削減を優先する姿勢が浮き彫りになっています。
航空業界全体での安全基準の見直しが急務です。
安全性をどう見極める?私たちができること
順位 | 航空会社 | 評価 |
---|---|---|
1位 | JAL (日本航空) | 4.72 |
2位 | ANA (全日本空輸) | 4.64 |
3位 | シンガポール航空 | 4.39 |
4位 | 大韓航空 | 4.36 |
5位 | タイ国際航空 | 4.35 |
6位 | キャセイパシフィック航空 | 4.35 |
7位 | カタール航空 | 4.34 |
8位 | エバー航空 | 4.33 |
9位 | チャイナエアライン | 4.32 |
10位 | エミレーツ航空 | 4.32 |
口コミの良い航空会社のランキングをいくつかのサイトからまとめました。
利用者である私たちはどのように航空会社を選べばよいのでしょうか?
私もそうですが、どうしても価格最優先で選んでしまいがちですよね。
ですが、航空会社の安全性評価をチェックすることも重要です。
業界団体や国際的な安全性ランキングを参考にすることで、一定の基準を確認できます。
さらに、口コミや評判を確認するのも一つの方法です。
「整備士の過酷な労働環境」や「事故歴」について情報収集を行い、安全面で信頼できる航空会社を選ぶことが大切です。
生存者2名はなぜ助かったのか?
生存した2名は、いずれも乗務員であり、事故直後に機体尾翼(後部)から救助されました。この2人が助かった背景として、以下の要因が考えられます:
- 座席位置
尾翼付近に座っていたため、機体の大部分が炎上したにもかかわらず直接的な衝撃や炎から比較的守られた可能性があります。 - 救助活動の迅速さ
韓国消防当局は事故発生後すぐに現場に駆けつけ、炎上していた機体の後部側から救助活動を開始しました。この迅速な対応が命を救った重要な要素とされています。 - 命に別状がない状況
救助時点で、2名は比較的軽傷で命に別状がないことが確認されています。
なお、事故全体の大規模な火災や機体破損の中で、生存者が少なかったことから、2名が救助されたのは極めて稀な幸運と言えます。
チェジュ航空事故で明らかになった教訓とは
今回の事故は、航空業界にとって深刻な教訓を残しました。
バードストライクに対する事前のリスク管理が不足していたことが明らかになり、今後は以下の点が求められます
-
- 空港周辺での鳥類生息地管理
- 高性能な鳥類追い払いシステムの導入
- 定期的なエンジンメンテナンスの強化
まとめ
韓国務安空港で発生したチェジュ航空機の着陸失敗事故は、航空業界に多くの課題を突きつけました。
特に、バードストライクによる事故のリスクは今後も大きな懸念事項です。
まだ原因は特定されていませんが、防ぎようのない不慮の事故だったのか?
長時間労働による従業員の疲弊も重なって引き起こしてしまった、「予想された惨事」なのか。
今回の悲劇を繰り返さないためにも、今後の調査結果にも注目が集まります。