2025年夏の甲子園、日大三高と沖縄尚学が激突した決勝戦。
熱戦のさなかで注目されたのは、
日大三高のエース・近藤優樹(コンドウ ユウキ)投手
彼の“振る舞い”や“態度”に、賛否の声が集まりました。
高校球児らしさとは何か――。
甲子園という特別な舞台で、日大三高のエースが見せた、
一挙手一投足が、想像以上の反響を呼んだ理由とは。
日大三高・近藤優樹とは?
2025年夏の甲子園で、強豪・日大三高を準優勝へと導いたエース
――それが、近藤優樹選手。
彼は東京都の名門校・日本大学第三高等学校の3年生で、右投げのピッチャー。
身長は171cmと投手としてはやや小柄ながら、最速138km/hのストレートと、要所で決まる変化球を武器に数々の強豪校を抑えてきました。
一見、全国トップレベルの「ザ・高校球児」という印象を受ける近藤選手ですが、彼が注目を集めた理由は、プレーそのものだけではありません。
むしろ、大会期間中にネットやメディアで話題となったのは――彼の“態度”でした。
「態度が悪い」「ふざけている」といった批判の声がある一方で、
「鬼メンタル」「感情豊かで見ていて気持ちいい」と、
彼の個性を肯定的に評価する声も少なくありません。
では、なぜここまで賛否が分かれるのか?
その鍵となるのが、彼の“マウンド上での振る舞い”にあります。
そもそも、近藤選手がここまで精神的に強くなれた背景には、苦い経験がありました。
昨年の秋季大会では、二松学舎大付との準々決勝で大量失点。
コールド負けを喫し、悔しさの中で「ピンチほど笑顔でいよう」と心に決めたといいます。
それ以来、彼はマウンド上でどんな場面でも冷静でいるために、あえて笑顔やユニークな仕草を見せるようになりました。

なるほどね
こうした背景を知れば、彼の行動も少し違って見えるのではないでしょうか。
ちなみに、近藤選手には投球後にマウンドの後ろを向き、キャッチャーからの返球を受け取らないというクセがあります。
この行動が
「協調性に欠ける」
「態度が悪い」
と受け止められ誤解される一因にもなっているようです。
しかし、試合後には審判に笑顔で挨拶したり、キャッチャーのマスクを拾ってあげたりと、
礼儀正しさが見えるシーンも。
つまり、「態度が悪い」と一言で片づけるには、あまりにも表面的すぎるのかもしれません。
次の見出しでは、実際にどんな振る舞いが話題となったのか
甲子園で起きた具体的なシーンをもとに、もう少し掘り下げていきます。
近藤優樹投手の態度が話題に
甲子園2025――
彼の“マウンド上での態度”が、SNSを中心に大きな話題を呼んだのです。
最も反響を呼んだのは、ピンチの場面で見せた「笑顔」。
県岐阜商との試合。
9回裏、同点のまま迎えたピンチの場面で、普通なら顔をこわばらせるところですが、近藤選手はマウンド上でニコッと笑っていたのです。

ピンチの時こそ笑顔!
さらには、相手応援歌のリズムに合わせて首を振るなど、リラックスしたような仕草も。
これがテレビ中継で映し出され、「試合中にふざけてる?」「なんか態度が悪くないか?」と、
一部で違和感を抱く視聴者が続出しました。

いろんな意見があるよね…
また、決勝戦・沖縄尚学戦での出来事も波紋を呼びました。
死球と判定された場面で、近藤選手は一瞬険しい表情を見せ、不満をあらわに。
判定に対して不満を示すような表情を見せ、結果として審判団が協議に入る場面に。
この行動に対してSNSでは「審判に失礼」「態度悪すぎ」
といった批判的なコメントが相次ぎ、一時は軽く炎上状態となりました。
さらに、高川学園戦や豊橋中央戦でも、ピンチで笑う、
派手なガッツポーズを見せる、表情がコロコロ変わる――
といった近藤選手の“感情表現の豊かさ”が目立ちました。
「表情豊かでいい!」「高校生らしくて好感が持てる」と、肯定的に捉える人が多い一方で、
「冷静さに欠ける」「真剣さが伝わらない」と否定的な意見もありました。
つまり、彼の態度がここまで話題になる背景には、「高校野球らしさ」とのギャップがあるのかもしれません。
日本の高校野球では、「礼儀正しさ」「謙虚さ」「静かな闘志」を美徳とする文化が根強く残っています。
そんな中で、近藤選手のように喜怒哀楽をそのまま出すタイプは、どうしても賛否が分かれてしまうのです。
とはいえ、それが即「悪い態度」だとは限りません。
むしろ、プレッシャーに負けない強さや、チームを鼓舞するエネルギーとしてプラスに働いていた場面も多く見られました。
次のパートでは、こうした振る舞いの背景や真相、
そしてネット上に寄せられた擁護の声について詳しく掘り下げていきます。
甲子園での振る舞いの真相
近藤優樹選手の“態度が悪い”という声は、
果たして本当に正当なものだったのでしょうか。
実はその裏側には、彼なりの明確な意図と、過去の経験から得た教訓が隠されていました。
話題になった笑顔やリズムに乗る仕草――。
これらは単なるふざけた態度ではなく、「ピンチを楽しむ」「自分を落ち着かせる」ための工夫だったのです。
その背景には、昨年秋の東京大会での敗戦があります。
二松学舎大付との試合でコールド負けを喫した経験から、自身のメンタル面に課題を感じたといいます。
そこで彼が導き出した答えが、「ピンチほど笑顔でいよう」というメンタルコントロール術でした。
実際に本人も、「相手の応援を自分の応援だと思い込んで投げた」と語っており、
あの笑顔には真剣な意図があったのです。
また、態度が話題になったもう一つの要素が、死球判定への反応です。
判定に対して不満を示すような表情を見せたことで、「審判に対して失礼だ」と
受け取られたケースですが、これも感情を抑えきれなかっただけにすぎません。
冷静さを求められる高校野球という舞台において、素直な感情表現は時に誤解を招きます。
しかし、それは「態度が悪い」こととは根本的に異なります。
また、投球後に背中を向けてキャッチャーからの返球を受け取らないという独特の癖も、
「俺様っぽい」といった印象を与えがちです。
ですが、これは試合に集中するためのルーティンに近いもので、実際にはチームプレイを軽視しているわけではありません。
むしろ、試合後にキャッチャーのマスクを拾う、審判に笑顔で挨拶するなど、細やかな気配りが見られる場面も多くありました。
これらの行動からは、近藤選手が礼儀やチームへの思いやりを持ち合わせた選手であることがわかります。
ネット上でも、野球経験者を中心に擁護の声は多く、「あれはメンタルの強さの表れ」
「むしろ見習うべき」といった意見が目立ちました。
「高校生らしくていい」「感情を出すプレーもスポーツの魅力」と共感する声も。
結局のところ、近藤優樹選手の“態度”は、
強烈なプレッシャーの中で自分らしさを保つための自己表現だったとも言えるでしょう。
一部で批判を受けたものの、その裏には努力と成長の過程がしっかりと存在していたのです。
高校野球における「理想の姿」とのズレが、賛否を分けた要因。
しかし、その個性こそが彼の魅力であり、これからの野球人生でも大きな武器になっていくはずです。