フジテレビ名誉会長・日枝久(87歳)氏。
かつてのフジテレビ黄金期を築いた功績とともに、「3大タブー」と呼ばれる問題と切り離して語ることはできません。
コネ入社の横行、創業家追放のクーデター、長期にわたる権力掌握――これらのタブーは、フジテレビ内部の組織文化や経営方針に深く関わり、その後のフジテレビの未来にも影響を及ぼしました。
この記事では、日枝氏の「3大タブー」の実態を詳細に解説し、それがフジテレビの成功と課題にどのように影響を与えたのかを深掘りします。
日枝久とは何者か?
華麗なキャリアと絶対的な影響力
日枝久氏は、1937年に京都府で生まれ、早稲田大学教育学部を卒業後、1961年にフジテレビに入社。
若手時代から優れた経営センスを発揮し、管理部門や編成局で成果を挙げるとともに、経営陣として頭角を現します。
1988年にフジテレビ社長に就任し、1993年には会長となりました。
その後も名誉会長や取締役相談役として長期にわたりフジテレビ全体に影響を与え続けています。
フジテレビ黄金期の立役者
日枝氏が経営を掌握した1980年代から1990年代にかけて、フジテレビは「視聴率三冠王」として日本のテレビ業界を席巻。
以下のようなヒット番組やコンテンツが生まれ、フジテレビのブランドを確立しました:
- 「笑っていいとも!」:長寿番組として日本の昼間のテレビ視聴を支配。
- 「東京ラブストーリー」:社会現象を巻き起こした月9ドラマの金字塔。
- 「めちゃ×2イケてるッ!」:若者をターゲットにしたバラエティ番組の成功例。
- バラエティと報道の両輪:時代のニーズに合った番組編成で視聴率競争をリード。
しかし、この輝かしい成功の裏には、日枝久氏を中心とするフジテレビ内部の問題がありました。それが「3大タブー」と呼ばれるものです。
日枝久の「3大タブー」とは?
タブーの全貌
日枝久氏にまつわる「3大タブー」とは、以下の3つの問題を指します。
これらはフジテレビ内部の構造的な課題を浮き彫りにすると同時に、日本のメディア業界全体の抱える問題とも密接に関わっています。
- コネ入社?の横行
- 創業家追放のクーデター
- 長期にわたる権力掌握
これらのタブーについて、背景や影響、社会的な反響などを詳しく見ていきます
タブー1:コネ入社?の横行(あくまで噂)
フジテレビは、特権階級や著名人の子供が多く採用される「コネ入社?」あくまで噂。
特に日枝氏の経営下では、政界や芸能界など有力者の子供が次々と採用され、その採用プロセスの透明性や公平性が疑問視されました。
有名人・芸能人の子供
名前 | 親の職業 | 入社年 |
---|---|---|
藤井弘輝 | 藤井フミヤ(歌手) | 2022 |
高橋真麻 | 高橋英樹(俳優) | 2004 |
岸信千代 | 岸信介(元首相) | 2014 |
ほんの一部です。
コネ入社が横行することで、以下のような問題が生じました:
- 公平性の欠如:実力主義を重んじるべき採用で、親の影響力が優先される構造が生まれた。
- 社員のモチベーション低下:正当に評価されないと感じる社員が増え、組織全体の士気が低下。
コネ入社が報じられるたび、SNSやネット掲示板では批判が殺到。
「フジテレビは上級国民のための会社なのか」「実力ある人材が活躍できない」といった声が広まりました。
特に若年層を中心にフジテレビへの不信感が高まり、視聴者離れの一因となっています。
タブー2:創業家追放のクーデター
フジサンケイグループは、創業者である鹿内信隆氏によって築かれました。
その後、息子の鹿内宏明氏がグループ全体を支配していましたが、彼の独裁的な経営スタイルに対する社内の不満が高まり、ついに日枝久氏を中心とする反対勢力が行動を起こしました。
この「クーデター」と呼ばれる出来事は、フジサンケイグループの歴史において最大の転換点となりました。
クーデターの経緯
年 | 出来事 |
---|---|
1991年 | 鹿内宏明氏のワンマン経営に対し、フジテレビ社内で不満が高まる。 |
1992年 | 日枝久氏を中心とした反対勢力が、役員会を通じて鹿内氏を解任する計画を実行。 |
1992年 | 鹿内氏、フジテレビおよび産経新聞の役職をすべて辞任。創業家の支配が完全に終了する。 |
クーデターの影響
ポジティブな影響 | ネガティブな影響 |
---|---|
創業家支配の弊害を解消。 | 日枝久氏個人への権力集中が進む。 |
経営効率化や業務改革を推進。 | 社内対立を深め、組織の結束力を損なう。 |
外部株主からの信頼を向上。 | 政策決定が独断的になり、柔軟性を欠く経営に。 |
タブー3:長期にわたる権力掌握
「院政」と揶揄された長期支配
1993年に会長職を退いた後も、日枝久氏は名誉会長や取締役相談役としてフジテレビの意思決定に影響を与え続けました。
この「影の支配者」としての立場は、フジテレビ内部で「院政」と呼ばれ、次世代リーダーの育成や組織改革を妨げる要因となりました。
長期支配が招いた問題
- 視聴率の低迷:時代の変化に適応するための柔軟な改革が進まず、他局との競争に敗れる。
- 組織の硬直化:新しいアイデアを受け入れる文化が育たず、停滞感が広がる。
- 社員の不満増加:内部からの改革提案が実現しにくい環境が作られた。
日枝久氏の「3大タブー」がフジテレビに与えた影響は、功罪相半ばするものでした。
しかし、これらの教訓を活かしてフジテレビが再び成長を遂げるためには、次のような改革が必要です:
- 採用の透明性を確保する
コネ入社を排除し、実力主義に基づいた採用制度を導入する。公平で多様な人材が活躍できる環境を整備することが重要。 - リーダーシップの世代交代
若手リーダーを育成し、新しいアイデアや柔軟な経営スタイルを取り入れる。これにより、組織の活性化と視聴率の回復が期待されます。 - 視聴者との信頼関係を再構築
報道の中立性や高品質な番組制作に注力し、視聴者の信頼を取り戻す。特にデジタル時代に対応したコンテンツ戦略を強化する必要があります。
まとめ
日枝久氏が築き上げたフジテレビの栄光は、その背後に隠された「3大タブー」とともに語られるべきものです。
彼のリーダーシップがもたらした功績は大きい一方で、コネ入社?や長期支配などの課題が、現在のフジテレビの問題の一因となっていますね。
フジテレビがこれらの教訓を活かし、新たなリーダーシップのもとで変革を進めていくことを期待します。
社会が大きく変わる中、フジテレビが未来に向けてどのように成長するかに注目しましょう。